2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520221
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中 純子 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (00248189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 茂 大阪市立大学, 文学部, 教授 (30134430)
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Keywords | 陳暘 / 楽書 / 宋代音楽資料 / 中国音楽史 |
Research Abstract |
中と齋藤は『楽書』の訳注作成のため、まず版本の調査をおこなった。国内では、中は東洋文庫・東洋文化研究所・国立国会図書館・蓬左文庫の版本を、齋藤は静嘉堂文庫の版本をそれぞれ調査した。国外では、齋藤が上海図書館、復旦大学図書館を訪れ、所蔵する『楽書』の版本を閲覧し、また関係論文の収集も行った。また台北市の中央研究院と国家図書館においても、『楽書』の版本、マイクロフィルムを閲覧し、元の至正刊本の残卷とその明代修補本のコピーを入手した。その折に宋刊の『楽書目録正誤』のコピーも入手した。その結果を踏まえて、国立国会図書館の所蔵する清の林宇沖校勘による光緒三年定遠方濬師刊(菊坡精舎蔵板)を底本にすることとした。 またそれと並行して、『楽書』の著者陳暘関連論文を探し、『楽書』の成立について詳しく知るためにも、陳暘「進楽書表」と、南宋の楊萬里による「楽書序」の訳注の制作を、研究会を開いて、検討した。その結果は『中国文化研究』21号に掲載される(三月現在入稿済み)。それに続いて、『楽書』の本文の訳注も制作を開始している。 また『楽書』に関わって、中国音楽史の研究発表としては、中が10月10日、二松学舎大学て開かれた日本中国学界で「唐宋音楽の断層」と題して、宋代資料による唐代音楽の研究の問題点を指摘した、また齋藤は、11月3日から11日まで中国へ出張し、5日から8日は蘇州大学で開催された「中国文学史百年研究国際研討会」に参加して、「面向新的百年來中国文学史研究的両箇問題(新しい百年の中国文学史研究に向けての二つの問題点)」の題で発表を行い、音楽研究と文学史研究を融合させる必要性を説いた。
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Research Products
(1 results)