2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520229
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
MIYAMOTO Edson・T 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (60335479)
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Keywords | 文処理 / 出現頻度 / かき混ぜ文 |
Research Abstract |
本研究では出現頻度が日本語でどんな役割を果たしているか調査する。日本語のコーパスから個々の動詞の使用頻度のデータを集め、その頻度がどのように読者の行動に影響しているか検討する。 他動詞を使ったかき混ぜ文の読み時間は基本語順に比べて遅いとよく言われる。原因としては色々考えられるが、ここまでの研究ほとんどは語順の出現頻度の影響を調べていない。 (I)この研究では、新聞記事の文先頭に現れる目的語がどのように完成されるかを調べた。京都大学コーパスの文から文先頭の「を」格名詞を抽出し、98%以上の場合(4,537文)は主語が省略されていて、かき混ぜ文はわずか2%(84文)でした。同じく、32人の被験者が「を」格の名詞句で始まった文を作成した場合、84.3%(210文)には主語が諸略されて、15.7%(39文)がかき混ぜ文でした。この結果によると目的語で始まる文を読んだ場合、次に主語が現れるという予測をする可能性が低いので、実際に主語が現れた場合はそこで読み時間が遅くなるはずだ。出現頻度がどれだけ影響しているかを今から詳細に調べていく必要がある。 (II)出現頻度の影響を調べるために、次の実験の準備を行っている。様々な他動詞から出現頻度が高いものと低いものを選んで、その頻度の差がどのように項の語順に影響するかを読み時間で計る。現在、実験を行うためのスクリプトを作成している。これは、文全体の読み時間だけではなく、文中の読み時間を計る。注意と作動記憶に負担をかけような同時に行われる他のタスクの反応時間も計る。
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