2006 Fiscal Year Annual Research Report
電子資料に基づく日本語研究の新領城の開拓および関連の諸問題の考察
Project/Area Number |
16520240
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Research Institution | Osaka University of Foregin Studies |
Principal Investigator |
田野村 忠温 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (40207204)
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Keywords | 日本語学 / 電子資料 / コーパス |
Research Abstract |
1.総論 日本語の電子資料を用いて文法を中心とする諸事象の分析を行うとともに、日本語研究における電子資料利用の諸問題について一般的見地からの考察を行った。それらの分析・考察の結果は論文や口頭発表などの形で発表した。 2.出版物 電子資料を用いた日本語の事例研究の1つの試みとして、日本語文法の中核的な位置を占めるコピュラ述語文について考察した論文を発表した。コピュラ述語文の問題は多岐にわたるが、そのうち、コピュラの異形態の認定とその分布の問題を中心に考察した。内省に基づく原理的、理論的考察に、大規模な電子資料の調査によって確かめられる用法の実態を組み合わせることによって分析・記述の精密化を図った。 以上のほか、語彙の研究におけるコーパスの現状と課題について概説した論文や、「コーパス言語学」を含む事典の項目などを執筆した。 3.口頭発表など 2005年3月に開催された国立国語研究所第13回国際シンポジウム「言語コーパスの構築と活用」にコメンテーターおよびパネルディスカッションのパネリストとして参加し、発表・討論を行った。また、国立国語研究所を中心として2006年9月に発足した日本語書き言葉コーパス構築計画に参加し、約半年間の期間に会議や研究会において4度の発表や報告を行った。 国外では、2006月秋に北京日本学研究センターで日本語研究におけるコーパスの価値・可能性や日本語コーパスの現状について講義を行った。ほかにも、中国の数大学で、日本語研究者・大学院生を対象として同様の内容の紹介や指導を行った。
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Research Products
(4 results)