2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520258
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北原 久嗣 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 助教授 (50301495)
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Keywords | 生成文法理論 / ミニマリスト・プログラム / 徹底した派生主義 / 統語システム / 解釈システム / 循環的出入力メカニズム |
Research Abstract |
ミニマリスト・プログラムと呼ばれる生成文法理論の最近の研究は、脳に内在する言語器官を特徴づける最適性とも言うべき性質を明らかにしつつある。ミニマリスト・プログラムが採択する研究上の指針には、(記述的装置のクラスを最小限にするよう求める)「最小設計」指針、および(演算の操作上の複雑性を縮小するよう求める)「単純計算」指針と呼びうるものがあるが、本研究では、「単純計算」指針に幾分重きをおき、操作上の複雑性の縮小は言語器官の構造を決定する上で最も重要な因子であると想定する。 この想定に基づき、操作上の複雑性を大幅に縮小する分析、とりわけ、循環的分析(Chomsky2005,2006)と派生的分析(Epstein and Seely 2006)を中心に検証し、(統語関係を決定する)統語システムから(音声・意味の解釈を決定する)解釈システムへの出入力機構の解明を試みた。その際、厳密に規定された小さな単位の出入力関係が循環的かつ派生的に成立している可能性に着目した。 本研究の成果の一部は、日本英語学会第24回大会シンポジウムEmpirical Issues inMinimalist Theorizingにおいて″Conflicting Relations and the Derivational Model″と題して発表した。次年度は、厳密に規定された小さな単位の出入力関係が循環的かつ派生的に成立している可能性をさらに探求し、その概念的根拠を統語システムの最適性という性質から導くことを試みる。
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Research Products
(2 results)