2005 Fiscal Year Annual Research Report
石川県白峰方言の調査研究と方言語彙のデータベース化
Project/Area Number |
16520275
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新田 哲夫 金沢大学, 文学部, 教授 (90172725)
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Keywords | 白峰方言 / 形容詞の長母音 / 白峰の民話 / 基礎語彙 / アクセント |
Research Abstract |
本研究は、石川県白峰方言の共時的な記述を行うことを主たる目的とし、方言語彙の資料の整備を行うことを目指した。また、白峰方言は、日本語史の観点から見ても重要な方言であるため、白峰方言の変化について中央語との関わりに注目しながら、次の調査研究を行った。 1.形容詞語幹の長母音の記述と変化の研究 白峰方言の形容詞は、ターキャ(高い)、サービ(寒い)など語幹に長母音をもっている。これらの形容詞活用の形態とアクセントを記述した。また、この現象は、新潟県北部・中部、長野県秋山郷、島根県隠岐地方、大分県国東半島付近、高知市、和歌山県西南部にみられる。これらのうち、大部分がすでに先年度、新田によって調査が行われたが、まだ未調査の和歌山県田辺市において調査を行い、これらの現象を確認し、その記述を行った。これまでの調査を含めて導かれる結論は次のとおりである。 (a)これらの長母音は、「独立語基>ウ音便の融合母音をもつ語基>その他の語基」の順に多く現れ、出現に包含関係が見られる。 (b)これらの長母音は短母音より歴史的に古く、語内部の後続の融合母音が出現する環境で保たれる傾向にあった。 (c)長母音のかわりに、促音・撥音が現れる方言があるが、これらも長母音から発生したものである。 2.民話・自然談話などの録音資料のテキスト研究 当方言で語られる民話の採取を行い、テキストを作成した。また、『NHK全国方言資料』の白峰の部分の改訂と注釈を行った。 3.基礎語彙調査 当方言の基礎語彙の調査を行った。「天候・気象」、「動物」の分野について形態・意味・用法について記述を行った 4.アクセント資料の作成 当方言の動詞、形容詞について、アクセント資料を作成した。
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Research Products
(4 results)