2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国語口語との関わりを中心とした中世の仮名法語と禅宗抄物の文体史的研究
Project/Area Number |
16520278
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
李 長波 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (60293932)
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Keywords | 文学史 / 中世仮名法語 / 中国語の口語 |
Research Abstract |
本年度の研究はまずこれまでの研究データの集積と主なテキストの電子化に重点をおいて進めた。その主な成果は次のとおりである。 一、中国・日本における唐・宋時代の口語史の研究資料と、日本における禅宗仮名法語の既刊資料を収集した。 二、『夢中問答』(五山版)、『月庵和尚法語』(五山版)の電子テキストの試用版を完成し、試用した。 三、『正法眼藏』(大久保道舟編『道元禅師全集』本)の電子テキスト化を行った。目下既に同テキストの第三十五巻までの入を終え、いま校正中である。 以上の基本文献のテキスト化に平行して、他のテキストなどをも用いて、初歩的な文体指標を抽出して、分析を行った。 一、『正法眼藏』及び『夢中問答』、『月庵和尚法語』のなかから、特に中国語口語の影響による語彙、文法の文体指標を抽出し、他の禅宗仮名法語との比較を行った。 二、先に発表した、「日本語文体史資料としての中世禅宗仮名法語の研究-連体修飾節に用いられる「〜底(ノ)」を中心に-」に続いて、さらに近世仮名法語と近代文学における「〜底(ノ)」の用法まで調査の対象を広げた。これによって、中世仮名法語から現代文章語(明治時代の文学作品)にかけての「連体修飾節」に用いる表現が、「スル+ノ+名詞」の形から、「スル+底+ノ+名詞」、「スル+体+ノ+名詞」の表現を経て、「スル+トコロ+ノ+名詞」へと交代しつつ、大きく変化したことが明らかになった。 三、新しい禅宗仮名法語の文献の発掘は、二回にわたって調査したが、特にめぼしい収穫がなく、次年度に持ち越されることになった。
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Research Products
(1 results)