2005 Fiscal Year Annual Research Report
九州方言における音便現象とテ形現象の"棲み分け"に関する研究
Project/Area Number |
16520281
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
有元 光彦 山口大学, 教育学部, 助教授 (90232074)
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Keywords | 九州方言 / 音便 / テ形 / 形態音韻現象 |
Research Abstract |
本年度は、[1]フィールドワーク、[2]データベース化と分析、[3]シミュレーション研究、という3つの研究テーマを設けていた。 まず[1]については、熊本県天草地域・鹿児島市・長崎県島原地域の調査を計4回(平成17年9月・12月・平成18年1月・3月)行った。1回につき3〜4日間の調査を行っている。また、その後地域によっては通信調査も行った。調査内容は、動詞活用形の一部であるテ形(連用形)・タ形(完了形)・否定形(未然形)に関するものである。収集できたデータについては、MDに記録している。また、パソコン内にも音声データファイルとして保存している。 次に[2]については、データを音声記号に転写し、データベース化を行っている。音声付データファイルについては、まだ体系的にデータベース化できる環境が整っていない。 [3]については、シミュレーション・ソフトの試作段階である。方言データが伝播・変化していくプロセスをシミュレートできる基本的なプログラムを作成し、社会言語学における様々な問題を理論的に解決するための研究を進展させている。 以上の研究の成果は、2本の学術論文として現れている。1本は、熊本県天草地域方言のテ形における形態音韻現象を記述したものである。もう1本は、現在までの記述的・理論的な研究成果の概要をまとめたものである。
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Research Products
(2 results)