2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520283
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
堀畑 正臣 熊本大学, 教育学部, 教授 (60253704)
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Keywords | 古記録 / 記録語 / 記録語法 / 実躬卿記 / 国語学 / 鎌倉時代 / 比興(ひきょう) / 一二(つまびらか) |
Research Abstract |
平成17年度は藤原実躬『実躬卿記』(1283〜1307)の調査を行った。1、「記録語」として「見来(げんらい)」「計會(けいくわい)」「一二(つまびらかに)」「以外(もってのほか)」「毎事(ことごと)」「左道(さとう)」「比興(ひきょう)」(「よくない」の意)が見える。「毎事」と「事々」が両方ある。2、「異名・異称」として、「二千石(にせんせき;国司)」「八木(はちぼく;米)」が見える。3、「唐名」には「亜相(大納言)」「羽林(近衛府)」「金吾(衛門府)」「黄門(大納言・中納言)」「左・右幕下(左・右近衛大将)」「職事(蔵人)」「相公(参議・公卿)」「仙洞(上皇)」「都督(太宰帥)」「武衛(兵衛府)」等が見えた。4、「記録語法」は、(1)「及(時刻)」の(時刻)には「深更・晩・暁天・昏黒」が見える。(2)「有御〜」の「〜」部には「沙汰・所作・納受・祗候・覧・供奉・参・見物・書写」等の動詞性を持つ漢語が増えている。(3)「被下(くださる)」は「宣旨・院宣・御點・御馬・重宝・郷」等が見え、「宣旨・院宣」から、文書の「御點」、物の「御馬・重宝」や「土地」などに広がりを見せている。(4)「被成(なさる)」には「被成骨肉之思」の例がある。このほか「〜歟之由」「定〜歟」「〜之間」「〜之処」「而〜(逆接)」「令〜御(しめおはします)」「以〜被〜(もって〜らる)」「如法(にょほう)」等が見える。5、「唐代口語」に「下官(自称)」「向後(きょうこう)」「都以(すべてもって)」「自余(じよ)」。6、「病の語」として「歓楽(病気)・中風・不合期・風気・不例・所労・痢病・脚気・損心地」。7、「その他」に「酔郷・返鼻・苞丁」等があった。また、東大史料編纂所にて調査を行った。
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Research Products
(2 results)