2005 Fiscal Year Annual Research Report
外国人年少者の心理・社会的要因が日本語学習言語の習得に及ぼす影響の研究
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16520312
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡崎 敏雄 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (00194340)
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Keywords | 日本の外国人年少者 / 言語習得 / 日本語学習言語 / 日系ブラジル人 / 言語保持 |
Research Abstract |
従来の日本の外国人年少者の言語発達研究では、心理的要因や社会的要因が影響を与えていることが示されているが、個別に学習言語習得への直接的影響、および第二言語の学習言語と相互依存関係にある母語への影響を媒介とした間接的影響についての解明はなされていない。一般に中学生の学習行動には心理的要因および友人等との社会的関係に関わる要因が大きく作用する。本研究は、これら要因のうち言語習得の保存に大きな影響力を持つとされていながらわが国の年少者言語発達研究で取り上げられなかったアイデンティティー、民族言語的活力、言語接触のための個人別ネットワーク、言語行動を導入し、それら要因が日系ブラジル人中学生の日本語学習言語習得に与える影響を明らかにすることを目的として以下を行った。1.日系ブラジル人中学生(日本の公立中学、日本で母語で教育を行っているピタゴラス〓族学者)が、自己の言語活動をどのように捉え、どのような言語接触を行っているかの点についての質問紙を完成させ、ポルトガル語に翻訳した。2.質問紙面接調査の手法により予備調査を実施した。3.予備調査の結果を踏まえ、質問紙を改作した。4.面接員に対する実施のためのトレーニングを行ない、結果に基づき質問紙のさらなる修正を行った。5.日本語・母語能力テストの精選版の作成、改良を行ない、先行科研で使用した同一テストのデータより、日系ブラジル人中学生分を抽出、オリジナルデータと相関の高い項目を精選した。6.質問紙最終版により、第2回予備調査を実施した。7.テスト項目を選定、絵を修正した。8.テストと質問紙調査全体の面接調査員トレーニングを実施した。9.以上により、日本語、母語能力テストの精選版を作成し、質問紙実施と合わせて、実施時間と調査・評〓内容量の最適範囲を特定し両項目数の決定を行った。
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Research Products
(3 results)