2005 Fiscal Year Annual Research Report
留学生の作文に対する主観的評価と相関関係を持つ分析的・客観的な量的指標の抽出
Project/Area Number |
16520313
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
衣川 隆生 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (30282289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 よしみ 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40208228)
小野 正樹 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (10302340)
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Keywords | 日本語学習者 / 作文 / 量的指標 / 重回帰分析 / 評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経験を積んだ評定者の主観的・統合的評価と、プレイスメント受験者が書いた文章から機械的に抽出される量的な指標との相関関係を分析し、作文評価の電算処理システムの構築の基礎を築くことにある。平成16年度は、第一言語及び第二言語における作文評価に関する先行研究を収集、分析し、評価方法の再検討を行った。その結果に基づき、留学生の作文に対する主観的評価を行うための評価方法を設定した。平成17年度は、分析的・客観的な量的指標を機械的に抽出するための、電算処理プログラムを開発した。電算処理プログラムを使用し、説明文課題作文30名分の量的傾向を分析した。次に、作文の量的傾向と研究者が行った総合的な5段階評価結果との関係を分析した。分析には量的指標を説明係数、評価結果を基準係数とした重回帰分析を用いた。重回帰分析に用いる説明係数は字数、漢字数、延べ語数、異なり語数、助詞数、動詞数とした。電算プログラムによる分析の結果、説明変数である量的傾向から評価を予測、説明しうる割合は68%であることが示された。これら係数の中で影響力の高いのは述べ語数、異なり語数、字数の順である。字数、漢字数、異なり語数、助詞数は評価結果に対してプラスの影響があり、数が多くなればなるほど評価が高くなることも示された。一方述べ語数と動詞数は評価結果に対してマイナスの影響があり、数が多くなれば評価が低くなることも明かとなった。
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Research Products
(3 results)