2004 Fiscal Year Annual Research Report
研究留学生のための会語教育の開発-<表現意図>の理解に基づく日本語生活の拡張-
Project/Area Number |
16520314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 真理子 東京大学, 留学生センター, 講師 (30334254)
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Keywords | 会話教育 / 研究留学生 / ディスコース構築 / 汎用性 / 日本語学習 / シラバス / 終助詞 / 普通体会話 |
Research Abstract |
1)既存の会話教育のシラバス検討 既存の教科書(初級〜中級)の中から「会話」のパートを抽出し、扱われている内容とその配列順序について検討した。これにより、そのほとんどが(1)「依頼」などの「機能」を柱とするか、これに「買いもの」「旅行」などの「場面」の軸を加えた形をシラバスの柱とし、「特定の機能」と「言語形式」とを直結させる指導方法、(2)文法シラバスによる「言語形式」をディスコースに埋め込んで、それを代入練習させる指導方法、のいずれかがとられていることがわかった。 2)「ディスコース構築」の諸相の検討とタスクの開発 従来の「機能・場面シラバス」の問題点の整理から、それを克服する方法として「ディスコース構築」のプロセスを学習者に意識化させることが必要であることを提案し、そのための指導法の開発とクラスでの実践を行った。また、これについての思想および実践結果について、学会において発表を行った。同時に、指導法開発の基礎として、様々な会話においてディスコースがいかに拡張されていくか、そのプロセスの観察も行った。 3)「文型の汎用」を目指す会話教育方法の開発 文型から出発する会話練習として一般的な「ダイアローグ練習」について分析を加え、これらが「頻用」場面を切り取る傾向があることを明らかにした。また、この分析から、学習者にとって有効な練習は、むしろ「汎用」場面の会話であることを指摘し、それを重視した教材開発を行った。また、これについてチームティーチングで思想を共有してクラス活動にあたるためのシステム作りを検討、実施した。 4)終助詞の機能の分析 初級から体系的に終助詞を指導していくことを目指し、その有効な提出方法や順序について考察した。その一部については、指導方法の開発を行い、実践につなげた。 5)「普通体会話」の分析 従来、初級では「丁寧体会話」が中心的に扱われ、「普通体会話」は補足的な扱いにとどまっていたが、これを教室で積極的に扱っていく必要性を指摘し、その方法開発に着手した。
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Research Products
(4 results)