2005 Fiscal Year Annual Research Report
研究留学生のための会語教育の開発-<表現意図>の理解に基づく日本語生活の拡張-
Project/Area Number |
16520314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 真理子 東京大学, 留学生センター, 講師 (30334254)
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Keywords | 会話教育 / 研究留学生 / 機能表現 / e-ラーニング / 認知科学 / コースカリキュラム / 談話 / イメージ化 |
Research Abstract |
1)認知科学的観点に立った学習理論の研究 「教室での教えやすさ・学ばせやすさ」を中心として追求されてきた教育を、「学習者の実文脈への転移可能性」を追求する教育へと転換していくことを目的として、状況や言語形式の認知過程を重視する各種学習理論の有効性を検討し、これらの応用について考察した。また、表現形式とその効果を学習者に伝えるために有効であると思われる「図式化・イメージ化」のあり方とその活用方法について研究した。さらに、これらに基づいて、学習者の言語行動が相手への働きかけを分析的かつ柔軟に設計していけるようなものであるための教育方法の提案を行った。 2)教育工学的観点からの教材の可能性の追求 会話教育の方法に関しては、新しい映像や音声の技術の進歩による影響が特に大きい。このため、従来の紙媒体+音声データ(テープ・CD)や映像データ(ビデオ・DVD)の組み合わせにとどまらない学習機会の新しい提供方法が重要であるとの考えに基づき、eラーニングによる教育の可能性について調査、検討を行った。 3)「機能」的表現の分析 「たほうがいい」「てもいい」「ないでください」等のいわゆる「機能」的表現について考察し、これらが固定的な機能表現としての限定的な位置づけに押し込められていることの弊害が、学習者の実際の不利益(拡張性の剥奪)につながる恐れがある点について指摘し、これについて報告した。 4)コース全体と「会話教育」の連携についての研究 会話教育の教材開発は、「コース全体の中の独立的な立場」で行うのではなく、「コース全体が学習者に伝えていく思想を支えていくもののひとつ」として機能するよう配慮されるべきである。こうした観点からコースの思想との一貫性・有機性を保つ会話教育のあり方や、会話教育側から見たコース全体のシラバスのあり方(特に、文型教育における「プレインフォーム」や「んです」の扱い方への提言)について検討した。さらに、初級段階からの会話教育をその後の学習段階にどう受け継いでいけるかについても考察した。
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Research Products
(3 results)