2004 Fiscal Year Annual Research Report
CALLにおける語彙習得システムの性能向上に向けた英語コーパス研究
Project/Area Number |
16520330
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 毅 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (30185441)
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Keywords | CALLシステム / 英語語彙習得 / コーパス / マルチメディア / 文脈 / Web / コロケーション / インターネット |
Research Abstract |
(1)CALL(Computer Assisted Language Learning)システムを用いた英語語彙習得において、目標語彙の属する使用域(register)の選定という目標に鑑みて、CALLに代表されるマルチメディア語学教育が重点的に扱うべき領域と、コンピュータを用いずに行う従来型の学習方式や人間教師からの指導・フィードバックの効果的な領域という基本的な問題を研究した。更に、日本人学習者の持つ母語語彙量と質とが外国語としての英語語彙の習得量とどのような関連性があるのかをアンケート調査等を利用して分析した。 (2)上記の調査を踏まえて、「英語<->日本語」という1対1の対訳形式で新出語彙を学習してゆくプロセスの功罪に関する先行研究を詳細に分析した。例えば具体名詞などに関しては、L1である日本語の介在を極力回避した方が幅の広い語彙習得と記憶の把持に繋がるが、反面、抽象名詞や複雑な概念を示す形容詞や副詞などでは、かえってL2である英語文脈のみの提示の繰り返しが概念・意味の把握を妨げることが予想されるという仮説を立てるに至った。 (3)試験的に語彙・語句習得のためのマルチメディア教材を、洋画の一場面を素材にして作成した。特定表現や語彙が、リスニング訓練の上でどのように位置付けられるべきかを考察し、目標表現や語彙を含んだほかの多くの文脈にハイパーテキスト上からリンクを辿ることによって到達し、より多角的な意味や概念をL1を介することなく理解し習得する可能性を示唆することができた。 (4)目標語彙を習得する際に最適な文脈の提示という視点から、視覚情報が新出語彙の記憶に及ぼす効果についての実験を参照した。文字情報としての目標語彙を確実に習得する場合に、音声情報のみで十分なのか、また、視覚がかえって冗長な情報をもたらすのではないかという重要な問題を提起することに繋がった。
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Research Products
(1 results)