2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の語用論的能力:ロールプレイの会話分析研究
Project/Area Number |
16520363
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
カイト 由利子 関西大学, 外国語教育研究機構, 教授 (00309204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ロス スティーブン・J 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (20278782)
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Keywords | 語用的能力 / 会話分析理論 / ロールプレイ / 言語コミュニケーション能力 |
Research Abstract |
社会で英語を実践的に駆使している日本人の英語能力はどのようなものか。日本人とネイティブスピーカー(英語)の対話に見られる日本人成人学習者の言語コミュニケーション能力を、主に会話分析理論の枠付けで分析する。本研究の焦点は、文法能力(文法、語彙、発音などの知識)ではなく、語用能力(実際の場面で、いかにコミュニケーションを達成させるかの運用能力)を解明することにある。今回の研究では、実際の面接データの中から、ロールプレイだけを取り上げ、マイクロな分析方法で実証していく。さらに、それらの分析を通して、「ロールプレイ」が語用言語能力の測定・記述方法としてどの位置を占めるか理論的裏付けをも行う。 平成16年度は、以下の研究・作業を行った。 1.オーディオテープに収録された面接データより、ロールプレイの部分を引き出し、それぞれ面接とロールプレイのCD-ROMに収録。 2.データを文字起こしし、詳細なトランスクリプトを作成するためには、高度の英語能力と会話分析方法知識が求められる。よって、この領域で世界的な有識者である南デンマーク大学教授ワグナー・ヨハネス氏を招聘し、1週間に渡る研修を開催。 3.ロールプレイの文字起こしによる詳細なトランスクリプト作成(共同研究者と研究補助員による) 4.ロールプレイ、会話分析方法などに関する図書収集作業。 5.ロールプレイ分析:マイクロ的(会話分析方法)は分析が始まったばかりである。日本人成人学習者が、高度の(あるいは限られた)英語言語能力を最大限に利用し、ネイティブスピーカーと対話し、ロールプレイを保持していこうとする能力、語用能力の一部、が多く見られた。 6.「ロールプレイに見られる繰り返し質問」、「対話参加者のオリエンデーション」、「語用論的発達を促すインプット」、「言語能力測定の影響」などについて研究論文を発表。
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Research Products
(6 results)