2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520377
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
高木 俊輔 立正大学, 文学部, 教授 (90022186)
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Keywords | 農民日記 / 村落生活史 / 地域情報 / 庶民の日記 / 社会史 / 家族 / 村役人 / 庶民文化 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて、幕末から明治期に期間を限定し、農民日記を中心とした庶民の日記史料の刊行状況の把握、既刊日記史料から良質の内容を持つものを選び割付けをして入力、また、未解読・未刊日記史料の調査・収集・解読、などをそれぞれ進めた。さらに、すでに入力を果たして「全文テキスト」化した日記史料については、キーワードによる検索を行って歴史情報収集の試みをした。具体的には、まず今年度の予算配分の三分の二以上となる「門屋養安日記」(出羽国秋田院内銀山町医師日記)の「全文テキスト」化を行った。これは、『近世庶民生活史料未刊日記集成』第一・第二卷(三一書房刊)に所収されており、B5版二段組み1120頁をこえ、字数にして約95万字という厖大なものである。この日記を、天保6年(1835)から明治2年(1869)まで、年度ごとに割付けをして外注入力を済ませた。このほかでは、日記リストを追加していて気付いた家族関係記事に特徴がある千葉県安房郡鋸南町の「富永家日記」の調査、去年に引き続き愛知県豊田市稲武の「古橋家日記」の調査・解読などを行った。現段階では、出来るだけ未解読・未刊行の日記史料にあたる必要があると考え、良質な日記史料を実見したり現地における調査・収集・解読に努めた。また、上層農民の日記として記述内容が豊富な長野県東筑摩郡麻績村の「葦沢家日記」についても、コピーより解読を進めた。なお、「全文テキスト」からキーワード検索による歴史情報抽出を「年内諸事日記帳」を素材として試み、「幕末維新期農民日記にみる地域情報」と題する論文を作成し、本学部紀要に発表した。
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Research Products
(2 results)