2005 Fiscal Year Annual Research Report
12〜14世紀日本列島南西部の交易拠点に関する研究
Project/Area Number |
16520379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30230270)
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Keywords | 日本中世史 / 九州 / 南西諸島 / 国家周縁部 / 交易 / 地域 / 港 / 日中関係 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、(1)現地調査と(2)デスクワークによる資料・情報収集に重点をおいて研究を進めた。 (1)は、a.薩摩半島南西部(10月)とb.奄美諸島(2月〜3月)における古代・中世の交易拠点を有する地域において実施した。aの主な対象は、鹿児島県南さつま市の万之瀬川下流地域、坊津周辺であり、新たに建設された歴史交流館金峰、坊津歴史資料センター輝津館で、収蔵資料の調査を行った。bの対象は、喜界島、奄美大島中・北部であり、喜界島では、現在発掘中の山田中西遺跡・山田半田遺跡の遺跡現地と出土遺物を調査・見学した。また、奄美大島では、小湊フワガネク遺跡(夜光貝大量出土遺跡)、「グスク」跡を調査、見学し、また名瀬市立奄美博物館等で文献調査を行った。いずれにおいても地元教育委員会の文化財担当者、博物館学芸員にご案内・ご説明をいただき、有益な資料(発掘成果報告書等)、情報を得ることができた。 (2)では、中世南九州の交易関係史料および研究文献の収集につとめ、データベース化を進めた。 具体的な研究成果としては、東北大学所蔵森潤三郎氏旧蔵文書について論文を作成し、そのなかで、琉球守を名乗り、また貿易船をもって東南アジア貿易に参与した亀井慈矩関係の未紹介文書を紹介した。また、九州・南西諸島とは対極(日本中世国家の東の周縁部)にある青森県域に関する中世史料集も刊行することができた(共著)。 昨年度開設した本研究の成果を公開するためのホームページは、更新に努めている。なお付言すれば、報告者は上記の歴史交流館金峰の資料展示の監修、資料作成を行っており、それは本研究における成果の社会への還元ともなっている。(http://www18.ocn.ne.jp/~m-kinpo/index.htm参照)
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Research Products
(2 results)