2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520392
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福田 千鶴 首都大学東京, 都市教養学部人文・社会系, 助教授 (10260001)
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Keywords | 日本史 / 史科学 / 女性史 |
Research Abstract |
研究計画の第3年度に当たる平成18年度は、過去2年間の研究に引き続き奥向データベースの拡充をはかった。 本年度は国文学研究資料館所蔵の真田家文書目録第2巻、京都大学綜合博物館所蔵豊後府内藩松平家文書のデータベース化を進め、約1000件のデータを入力した。前年度までのデータとあわせると、約5500件のデータベースの構築を終えることができた。 また、研究協力者の協力のもとに奥向構造の分析に必要な分限帳史料の収集を進めることができた。 史料収集に関しては、長浜市立長浜城博物館において「淀殿」書状その他関連史料、豊岡市立図書館・同出石分室所蔵の出石仙石家文書のうち「御用日記」の収集を行った。 研究成果の公開では、単著『淀殿-われ太閤の妻となりて-』(ミネルヴァ書房、2007年1月)において武家社会における奥向の成立過程についての分析を行った。 論文では前年度に引き続き、首都大学東京図書情報センターが所蔵する水野家文書の史料紹介を行った(「水野家文書の奥向関係史料についてその2」『人文学報』385、2007年3月)。このほか、鳥取県立博物館特別展図録『女ならでは世は明けぬ』(2006年5月)に「幕末の池田家と宝隆院」を公表した。 また、講演2回(東京都立大学史学科談話会総会講演「「淀君」像の再検討」、北陸史学会学術講演「近世武家社会における「妻」の役割について-奥向構造の成立に関する試論-」を行い、成果の公開を図った。 以上により、本研究の最終年度にあたる平成19年度では奥向データベースの精製化と奥向史料論の構築という研究目標を達成するための研究基盤を整えることができたと考えている。
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Research Products
(2 results)