2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520392
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福田 千鶴 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 准教授 (10260001)
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Keywords | 日本史 / 史料学 / 女性史 |
Research Abstract |
研究計画の最終年度にあたる平成19年度は、過去3年間の研究成果をまとめるための報告書作成を進めた。 第1に、これまでに構築した奥向史料データベースの精度を高めるとともに、報告書に載せるための内容の検討を行った。これまでに収集したデータは、研究当初に予想した分量をはるかに超えるものであった。このことは今後の奥向研究を進展させるための展望において、その基盤を構築するうえでの重要な成果であったといえる。今後に主要な対象とすべき大名家としては、松代真田家・萩毛利家・鳥取池田家・彦根井伊家などが考えられるが、研究報告書(冊子体)には今後の分析で主要な対象として取り上げる予定である松代真田家文書のものに限定して掲載することに、その他のデータに関しては概要の解説を掲載することにした。 また、研究協力者の協力を得て、昨年度に収集した分限帳史料の分析を進め、奥向家臣団および女中の構造分析を行い、奥向に関する研究文献の集約も行った。これらをあわせて2008年12月までに論文化の予定である。 研究成果の公開としては、福岡市史近世史部会において「福岡藩の奥向関係史料について」と題して報告を行った。 以上の研究を通じ、1、凶関係史料に奥向史料が多く残されている、2、近世前期・中期に関する記録類は確認できなかったが、近世後期に関しては比較的多くの大名家で奥向関係史料の伝来が確認できた、3、大名史料以外に家臣の家に伝来する史料群のなかに奥向の役職のもとで作成された記録類が伝来しているケースが確認され、これらの調査が今後の課題であること、などが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)