2005 Fiscal Year Annual Research Report
天竜寺・相国寺を中心とした五山派禅宗寺院文書の研究
Project/Area Number |
16520403
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
原田 正俊 関西大学, 文学部, 助教授 (40278883)
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Keywords | 禅宗 / 寺院 / 古文書学 |
Research Abstract |
今年度は、天竜寺関係文書として尊経閣文庫・国立史料館所蔵史料の調査撮影を行った。尊経閣文庫では、天竜寺塔頭真乗院文書、周悦関係文書の写真を収集した。これらは伏見庄など五山塔頭領荘園のありかたを見る上でも興味深い史料群である。国立史料館所蔵、臨川寺文書は天竜寺に隣接する夢窓派の拠点寺院、臨川寺の文書であり、加賀国大野庄に関するものが多く、これらの史料を基に、8月には大野庄の現地調査を行い、大野湊付近から発掘された出土物などの調査、臨済宗法燈派末寺の伝灯寺など現地調査も行い、臨済宗五山派の加賀国おける展開を調べた。 また、天竜寺より流出した文書群で現在、尼崎市教育委員会の所有となっている、天竜寺関係文書の調査撮影を行った。この文書群には「三会院重書」の一部が含まれ、現在天竜寺にある重書案と併せてセットになるもので、現存の古文書にはない史料も多数含まれ、貴重なものである。一連の重書案は五山派禅宗寺院における、文書管理のありかたを考えるための史料ともなり、古文書学的にも興味あるデーターを提示できるものである。 相国寺については、末寺である鹿苑寺、慈照寺の調査を行った。両寺に遣る中世文書は少ないものの、鹿苑寺においては豊臣秀吉関係の文書で新出のものもあった。また、相国寺塔頭普広院文書についても調査を行った。並行して「天竜寺重書案」の整理、翻刻を進め、全点の3分の一程度の検討を行った。これらについては今後継続する。 さらに、五山関係の儀式・寺院生活を研究するため旧東福寺所蔵の清規関係史料の写真撮影を行った。文書と併せてこれらの分析を行い、日本における五山の意義、南宋文化の移入を考察していく。
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Research Products
(1 results)