2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16520408
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
酒寄 雅志 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 教授 (90187055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正弘 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 教授 (20188337)
早乙女 雅博 東京大学, 大学院・人文社会系研究科・朝鮮文化研究専攻, 助教授 (80150035)
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Keywords | 東和考古学会 / 外務省外交史料館 / 渤海国東京城 / 馬衡 / 鴻臚井之碑 / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
まず外務省外交史料館が所蔵する東亜考古学会関係文書の調査を行った。関係文書は、H門6類:(講演、視察助成)2項(助成)0目中に収録されているが、今年度は特に東亜考古学会が行った発掘事業の助成関係文書とその調査成果の出版助成関係文書のマイクロコピーを行った。それらによれば東亜考古学会は、大正15年から昭和10年にかけて、関東州貔義子窩貝塚・旅順老鉄山麓古城趾・関東州官屯子及河南省洛陽城趾・吉林省旧渤海国東京城趾などの発掘調査を行っているが、これらの文書は、外務省の東方文化事業の一環として助成を受けるための申請書と事業報告よっていることから調査の目的と発掘状況、そして成果が詳細に把握できる。また「東亜考古学会事業概要」「東亜考古学会組織改革ノ件」などの文書も含まれているので、当学会の組織の概要も知ることができ貴重である。そこで現在、本研究の第一義である文書の映像化をスキャナーにより行い、一方、翻刻によるデジタル化を進めて東亜考古学会の総体的把握にむけた作業を行っている。さらに東亜考古学会の創立をめぐる経緯を理解するために、学会創設者の一人である北京大学の馬衡教授関係の史料を北京大学档案館において博捜した。档案館の史料は、外国人には非公開であるが、海外共同研究者の馬一虹氏の仲介により閲覧を許され、馬衡教授と日本の考古学会との接点を窺わせる史料を数点ほど発見して筆写した。併せて近代日本における東アジア史研究の一翼を占める渤海史研究の端緒となった旅順の「鴻臚井之碑」(日露戦争後皇居内に移転)の跡地近傍を訪ねた。その際、北京と大連の「唐鴻臚井碑刻研究会」の会員と懇談をして、中国における渤海史研究の現状把握と、平成17年度秋に実施する予定である東亜考古学会の発掘調査遺跡の踏査検証のための予備的打ち合わせを行った。
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