2006 Fiscal Year Annual Research Report
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16520408
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
酒寄 雅志 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 教授 (90187055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正弘 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 教授 (20188337)
早乙女 雅博 東京大学, 大学院・人文社会系研究科韓国朝鮮文化研究専攻, 助教授 (80150035)
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Keywords | 東亜考古学会 / 東京城 / 駒井和愛 / 水野清一 / ガラス乾板 / 外務省記録 / 渤海 / 外務省文化事業部 |
Research Abstract |
今年度は国立公文書館アジア歴史資料センター(JACAR)によって公開されている外交史料館所蔵「外務省記録」の中から東亜考古学会が、昭和8,9年度(1933、34年度)に行った渤海の東京城調査に関連する史料を改めて蒐索した。その結果、本研究の初年度に、外交史料館で収集した史料以外に新たな史料を体系的に集めることができた。これらを年次・目的別に整理した上で翻刻に努めた。また東京大学が所蔵する「駒井和愛調査日誌-昭和八年度-」「水野清一 第二回 東京城発掘日誌」や、東京帝室博物館の「渤海国首都出土遺品展覧会目録」なども合わせて翻刻した。 一方、東京大学文学部考古学研究室に保管されている東京城発掘調査で作成された資料(図面・写真・調査日誌)の中から、2006年(平成18)に新たにガラス乾板を発見し整理を行った。その結果、写真は昭和8,9年の二ヶ年間に702枚撮影され、そのうち451枚が現存していることが確認された。また紙焼き写真が111枚あること1も確認した。さらに現在残されている遺構の実測図面103枚の整理も行った。 以上の作業を通じて、外務省文化事業部の助成を得て東亜考古学会が行った昭和8,9年度の渤海・東京城の発掘調査の経過、経理状況などが浮き彫りになった。さらには外務省の出版助成を得て、報告書『東京城』が昭和14年(1939)に出版されるまでの経緯と、この報告書作成過程で発覚した東亜考古学会の不正経理と、それに伴って行われた組織改革の努力も明らかになった。
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Research Products
(6 results)