2005 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における植民地医学の展開と中国社会への影響に関する研究
Project/Area Number |
16520414
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
飯島 渉 青山学院大学, 文学部, 教授 (70221744)
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Keywords | 東洋史 / 植民地医学 / 近代中国 |
Research Abstract |
本年度は、初年度に進めた本研究に関する研究史の整理のうえに、中国、韓国、台湾などの研究者との意見交換を進めるとともに、近代中国における植民地医学の展開に関して、天津と上海に焦点を絞り、資料調査と研究を進めた。天津では、本年度に開催された国際会議(南開大学)において、標記の課題に関する研究発表を行い、参加の中国人研究者との意見交換を行った。この過程で、青島などの研究者とも意見交換を行い、今後の調査研究の基礎をつくることができた。 上海の資料調査では、上海CDC(Center for Disease Control)の研究者との意見交換を行い、同時に、同所の援助を受けながら上海における植民地医学の展開に関する基礎的な調査および上海市公文書館での資料調査を行った。同公文書館の資料は、租界時代の工部局衛生課の行政文書(一次資料)および中華人民共和国時期の衛生局文書である。こうした資料は昨年度から継続して調査しているが、分量は膨大であり、次年度以降も継続的に調査を行う予定である。 上海CDC(Center for Disease Control)は、旧租界時代に設立されたパストゥール研究所をその前身とする研究機関であり、同所も多くの資料を所蔵していると考えられる。しかし、今回の調査では、博物館の見学にとどめた。なお、上海CDCの研究者とはその後も継続して意見交換を行っている。 以上のように、本年度は、前年度の研究成果のうえに、天津、上海での資料調査、研究発表(南開大学)、研究者との意見交換を重点に研究を進めた。研究経費は、以上の費用および関連文献の購入、資料の複写などに充当した。
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Research Products
(1 results)