2007 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における植民地医学の展開と中国社会への影響に関する研究
Project/Area Number |
16520414
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
飯島 渉 Aoyama Gakuin University, 文学部, 教授 (70221744)
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Keywords | 東洋史 / 近代中国 / 植民地医学 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画の最終年度として、これまでの研究を総括し、同時に、調査・研究が不十分であった都市のうち、青島と香港に関して重点的に研究を進めた。 中国社会への植民地医学・帝国医療の影響や展開に関する研究の中で、青島および香港はきわめて重要な位置を占めている。これは、香港がイギリス植民地医学の東アジアにおける拠点として上海とならんで重要であったからであり、イギリス植民地主義の展開における植民地医学と帝国医療の役割を論じる際には避けて通ることのできない問題だからである。 また、青島は、植民地医学・帝国医療の中で独自の位置を占めたドイツ植民地医学が展開された都市であり、日本の植民地医学がドイツをモデルとして確立されたことを考えると、青島に関する研究もまたきわめて重要である。 具体的な研究活動としては、香港中文大学の蔡志祥教授の協力を得て、"Medicine and Public Healthin Hong Kong and East Asia"Workshopを香港で開催し(2007年5月19日)、若手研究者の参加を得ながら、本研究計画の課題を討論した。また、青島海洋大学で開催された"Provincial China Workshop 2007:Colonialism and Chinese Localities"(2007年9月)で研究成果を発表した。 総じて、植民地医学と帝国医療が近代中国社会の展開に与えた影響は大きかったと考えられる。以上の研究成果の中間的な総括は、韓国の延世大学校で開催された"Medicine and Modernity Conference"(2007年8月)でも発表を行なった。
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Research Products
(3 results)