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2007 Fiscal Year Annual Research Report

張家山漢簡による中国漢代制度史の再検討

Research Project

Project/Area Number 16520415
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

宮宅 潔  Kyoto University, 人文科学研究所, 准教授 (80333219)

Keywords中国古代 / 張家山漢簡 / 刑罰制度 / 性差 / 識字
Research Abstract

本年度は、張家山漢簡「二年律令」を検討してきた作業の集大成として、中国における刑罰体系の形成を如何に把握すべきか、一つの試論を呈示すると同時に、先に行った労役刑制度の再検討を補完すべく、刑徒管理制度の分析を行った。
刑罰体系形成史への分析に関しては、刑制における女性の扱いに注目した。秦漢の刑罰のなかには、女性に科し得ない刑罰がいくつか存在するものの、女性がその刑に該当する場合の代替措置を明記しない場合がある。それら刑罰に相当する犯罪行為を仔細に検討すると、多くが元来は男性しか侵し得ない行為(強姦や軍事行動中の犯罪)への科罰であったことに気づく。その刑罰が女性にも科されるに至っている背景としては、元来は特定の条件下でのみ用いられていた刑罰が、そうした文脈から切り離されていった歴史が想定される。かかる刑罰体系形成史を念頭に置くなら、いくつかの刑罰が女性に適用されない現象も、単なる寛刑策ではなく、それらが元来は男性のみを科罰対象とする条件下で用いられていた可能性を考慮すべきであろう。「婦人無刑」(『春秋左氏伝』)に対する一つの注釈、「女性のためには刑が制定されていなかった」という一句が、改めて吟味される必要がある。
刑徒管理制度への再検討については、成果報告書で詳述した。こうした研究を進める上で必要な書籍の購入、および資料整理の作業への謝金に研究費は使用された。
なお、海外共同研究者のエノ=ギーレは、他の資金で12月に来日し、その際にギーレの進める「二年律令」史律の検討について意見を交換した。それをふまえたギーレの論考も報告書に掲載される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2007

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 秦漢刑罰体系形成史への一試論-腐刑と戍辺刑-2007

    • Author(s)
      宮宅 潔
    • Journal Title

      東洋史研究 66巻3号

      Pages: 1-33

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 試論秦漢刑罰体系的形成史-以腐刑爲線索-2007

    • Author(s)
      宮宅 潔
    • Organizer
      中国中古史学会(韓国)
    • Place of Presentation
      ソウル・淑明女子大学
    • Year and Date
      2007-07-07

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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