2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520430
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
谷口 淳一 京都女子大学, 文学部, 助教授 (90293844)
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Keywords | 13世紀 / シリア / アレッポ / 歴史叙述 / 伝記 / 知識人 |
Research Abstract |
1.主たる研究対象である『アレッポ史の探究』のデータベース作成作業は、計画よりも遅れ気味である。本年度は全体の20-30%のデータベース化を目指していたが、本書の伝記集部分に項目として立てられている人名の入力作業に予想以上に時間がかかり、その作業の一部を次年度に持ち越すことになった。したがって、データベース化の本格的な作業は、次年度以降に進めることになる。 2.『アレッポ史の探究』を北シリアの歴史叙述の流れの中に位置づける作業の一貫として、地方史史料に見える宗教施設のデータを抽出し分析を試みた。対象としたのは、本研究が注目する13世紀を含む、12世紀から15世紀までである。その結果、13世紀末までと14世紀以降では、宗教施設をめぐる状況に変化が見られることが明らかになった。明らかになった点は以下の通りである。 (1)施設数の変化について見ると、宗教施設の総数は時代を下るに従って徐々に増えていったが、施設の種類ごとに違いが見られた。13世紀前半までに急増したマドラサなどの学院は、13世紀後半以降のマムルーク朝時代には新設数が大きく減少した。他方、14世紀以降は、ジャーミィ(金曜モスク)が急増した。 (2)設立者の社会層については、13世紀半ばまでは支配者層が圧倒的に多かったが、マムルーク朝時代になると、支配者層以外の設立者の割合が増加する。宗教施設の設立が、社会的に広がっていったようである。 (3)14世紀以降は、宗教施設の機能にも変化が見られるようになる。ジャーミィと学院が併設されるというような複合化が進む一方で、学院に付随していた墓廟が独立して建設されるなど、複合化と分化という2方向の動きが見られるようになる。
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Research Products
(1 results)