2004 Fiscal Year Annual Research Report
供養塔の基礎的調査に基づく飢饉と近世社会システムの研究
Project/Area Number |
16520459
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関根 達人 弘前大学, 人文学部, 助教授 (00241505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 成一 弘前大学, 人文学部, 教授 (20013287)
菊池 勇夫 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20186191)
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Keywords | 飢饉 / 供養塔 / 石造物 / 弘前藩庁日記 / 小氷期 / 餓死供養 / 無縁 / 年忌法要 |
Research Abstract |
関根は、青森県津軽地方の飢饉供養塔約100基に関する調査報告書『津軽の飢饉供養塔』をとりまとめ刊行した。同時に下北・南部地方の飢饉供養塔の所在確認を行い、ついでそれらの現地調査を実施した。あわせて津軽地方において補足調査を実施し、新たに数基の飢饉供養塔を確認した。来年度は今年の調査成果を受けて、『下北・南部の飢饉供養塔・補遺津軽の飢饉供養塔』を刊行する予定であり、今年度後半期に、調査データの整理作業を進めてきたが、現在ほぼその作業を終えた。 長谷川は、近世の気象にかかわる基礎データを収集し、一方で飢饉を中心とした災害、民衆による一揆・打ちこわし等に関する活字資料と参考文献を収集した。気象に関するデータとしては弘前藩庁日記に記録された記事の天気付けを全て収集し、データ化した。これにより寛文元(1661)年から明治維新に到る津軽領の気象変動に関して、基本的な見通しを形成することが可能となった。 菊池は、八戸藩・盛岡藩・弘前藩の北奥三藩を中心に、元禄の飢饉、宝暦の飢饉、天明の飢饉、天保の飢饉における餓死者・疫死者に対する供養がどのように行われていたのか、各藩の日記や飢饉記録などから関連史料を集めた。飢饉直下における無縁となった死者の埋葬、供養だけでなく、飢饉の記憶としての意味合いを持つ五〇回忌に到るまでの節目毎の年忌法要(施餓鬼)に関する記事の収集に努めた。
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Research Products
(5 results)