2005 Fiscal Year Annual Research Report
供養塔の基礎的調査に基づく飢饉と近世社会システムの研究
Project/Area Number |
16520459
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
関根 達人 弘前大学, 人文学部, 助教授 (00241505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 成一 弘前大学, 人文学部, 教授 (20013287)
菊地 勇夫 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20186191)
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Keywords | 飢饉 / 供養塔 / 石造物 / 弘前藩庁日記 / 東大寺執行所日記 / 餓死供養 / 無縁 / 年忌法要 |
Research Abstract |
関根は、昨年度行った下北・南部地方の飢饉供養塔の調査成果をまとめ、その報告書(『下北・南部の飢饉供養塔』)を刊行した。また、昨年度刊行した報告書『津軽の飢饉供養塔』の調査データ基づき、論文(「飢饉供養塔からみた北奥近世社会の一側面」)を執筆した。加えて今年度は、地域間の比較を行う目的で、九州佐賀・福岡ならびに四国愛媛において主要な飢饉供養塔の調査を行った。この調査ではこれまで基礎資料化されていなかった飢饉供養塔について拓本を採取し、碑文の検討を行うことが出来た。この調査により飢饉供養塔のもつ地域性や歴史性がより明確となった。 長谷川は、昨年度、大分県において調査収集した気象資史料のデータ整理と、弘前藩庁日記の気象データの点検を行った。加えて東大寺図書館において、「執行所日記」の調査を行い、気象データを収集した。 菊池は、関根とともに福岡・佐賀両県の飢饉供養塔の比較調査を行った。また福岡・佐賀の飢饉供養塔が享保の飢饉に集中することから、享保の飢饉に関する史料と研究文献の収集を、福岡市総合図書館・佐賀県立図書館で行った。市町村レベルの自治体史(史料編・通史編)のほか、鍋島家文書など近世史料を閲覧し、当該史料のピックアップをした。特に飢饉供養についての史料収集に努め、断片的ではあるものの、50年忌、100年忌の供養に関する史料も見いだし、一定の成果を収めた。
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Research Products
(2 results)