2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520463
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
小澤 正人 成城大学, 社会イノベーション学部, 助教授 (00257205)
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Keywords | 考古学 / 紀元前2千年紀 / 南中国沿岸 / 東南中国 / 琉球列島 / 沿海地域 / 地域間交流 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に継続して主に長江下流域と東南中国の遺跡報告書から関連遺跡のデータを整理し、各沿海地域間の比較項目である遺物組成、居住形態、埋葬形態などに関して検討し、さらに出土遺物の集成をすすめた。東南中国に関しては、『中国考古集成華南編』が刊行されたことから、同地域における遺跡調査の現状把握がかなり詳細にできるようになった。そこで、これを入手し、発掘調査事例を中心に関連遺跡のデータ抽出を行った。とくに福建省の沿海地域の一つである〓江下流域は長江下流域と台湾海峡両岸地域の接点となることから、同地域の考古学文化の変遷を明らかするために在地的要素である煮沸土器の変容を検討し、さらに紀元前2千年紀に沿海地域において地域間交流が活発化したことを検討した。また、琉球列島については大陸起源とされる要素の出土状況を確認した。そして、これらを踏まえて、関連遺跡の地域ごとの遺跡分布図の作成をすすめ、分布論的検討を行った。 実地調査では、まず平成17年9月、台湾台北に赴き、台湾海峡両岸地域の比較研究を進める上で貝塚遺跡を中心に遺跡踏査を行い、編年研究から遺跡の調査事例などの研究状況の把握に努めた。 また、長江下流域について昨年度も実地調査を実施したが、本年度も11月に上海・浙江省の調査を実施した。本年度は、とくに長江下流域の中での時期差、地域差を捉えるために実物資料の実見と研究状況の把握を行い、上海では馬橋文化とその前段階に位置づけられている広富林類型に関する資料、浙江省においては同時期の印紋陶文化遺存を中心に資料の実見を行い、現地研究者と意見交換を行った。
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