2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520463
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Research Institution | University of the Ryukyus. |
Principal Investigator |
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30291553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
小澤 正人 成城大学, 社会イノベーション学部, 助教授 (00257205)
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Keywords | 考古学 / 紀元前2千年紀 / 南中国沿岸 / 東南中国 / 琉球列島 / 沿海地域 / 地域間交流 |
Research Abstract |
前年度までに収集した関連資料の整理、検討を行い、これをもとに紀元前2千年紀における南中国沿岸地域と琉球列島の先史文化の動向を整理し、各地域文化における地域間交流の様相を明らかにした。実地調査の補足として、石垣および台湾台北に赴き、地元研究者との意見交換を行い研究状況の把握に努めながら、関連資料の調査を行った。これらの成果をふまえて、後藤を中心に、研究分担者の池田・小澤と意見交換を行いながら、報告書を作成すると同時に当該研究の有効性と今後の課題を検討した。 その成果をまとめると、紀元前2千年紀における東南中国の沿海ルートによる交流は、浙江南部から厦門、あるいは対岸の台湾を含む複数の沿海地域をとり囲む広範囲なものであるが、〓江下流域と河口対岸の海壇島との関係のような隣接する沿海地域間の近距離交流も活発になっており、重層的なネットワークを形成していたと考えられる。また、同時期の地域間交流は技術からモノそして人の移動などを含む多様な交流であったと考えられる。こうした広範囲に及び、重層性、多様性をもつ東南中国の沿海地域間の交流の延長線上に台湾との交流があったのである。さらにその先に位置する琉球列島との関わりについては各地域文化の動向のさらなる比較が必要であるが、琉球列島の同時期にみられる地域文化の変化もみのがせない。本研究では各地域文化を構成する要素の中でも外来要素の分布論的視点よりも在地に連続する要素の変遷に焦点をあて、時代の移行期に際して考古資料にみる文化の「連続」と「不連続」について検討した。その中で、紀元前2千年紀の南中国沿岸における長江下流域の「不連続」に対する東南中国沿海地域の「連続」という構図を明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)