2005 Fiscal Year Annual Research Report
信濃川中流域における旧石器時代の居住類型と石材環境
Project/Area Number |
16520464
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University, Faculty of Urban Liberal Arts, Institute of Social Sciences and Humanities |
Principal Investigator |
小野 昭 首都大学東京, 都市教養学部人文社会系, 教授 (70000502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高浜 信行 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (20018948)
|
Keywords | 後期旧石器時代 / 石材環境 / 信濃川中流域 / 居住類型 / 真人原遺跡 / 後期更新世河岸段丘 / 地表変動 / 液状化痕跡 |
Research Abstract |
新潟県小千谷市真人町に所在する真人原(マットバラ)遺跡は,後期旧石器時代後半期の尖頭器をともなう遺跡で,信濃川左岸の後期更新世末の段丘上に立地する.A,B,Cの3地点からなる.本年度の科研費により,B地点の第4次調査を実施し,B地点の調査を全て終了した. 遺物の集中区に周縁調整の尖頭器を確認し,層位と石器の形態学的特徴からA,C地点と同時期であることが判明した.石材に注目するとA,C地点は多様な石材(珪質頁岩を主体に珪質凝灰岩,無斑晶質安山岩,少量の黒曜石)が利用されているのに対し,B地点は珪質頁岩と頁岩だけで構成されていることが判明した.時期的な同時性と使用石材の共通点と差異をふまえ,信濃川中流域における後期旧石器時代後半の居住のパターンと石材利用の分析の結果,広域回帰と比較的狭い範囲の回帰的類型を仮説的に導き出すことができた. また,当該地域の段丘形成と,過去の地殻変動による地層の液状化についての分析を分担研究者がおこない,当時信濃川が流れていた段丘面を特定することに成功した. 研究代表者は,2005年夏に実施した発掘調査の結果と,いままでに調査して解明が進んでいるAC地点の成果をあわせ,2005年11月に韓国忠北大学でおこなわれたシンポジウムで成果を報告した(Chrono-stratigraphic frameworks and raw material procurement systems in the Upper Palaeolithic of Japanese islands).
|
Research Products
(7 results)