遺跡地層データの集約的活用による先史大阪平野の古地形復元と遺跡立地に関する研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16520475
• Research Institution: Osaka City Cultural Properties Association
• Principal Investigator: 絹川 一徳 (財)大阪市文化財協会, 調査研究部調査課, 学芸員 (50204938)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松尾 信裕 (財)大阪市文化財協会, 調査研究部調査課, 課長代理 (10344376) ; 趙 哲済 (財)大阪市文化財協会, 調査研究部研究資料課, 係長 (20344369) ; 小倉 徹也 (財)大阪市文化財協会, 調査研究部調査課, 学芸員 (80344357)
• Keywords: 大阪平野 / 古地形復元 / 先史時代 / 旧石器時代 / 縄文時代 / 遺蹟立地 / 地層 / 遺蹟環境

Research Abstract

本年度は、課題研究に係わり以下の作業等を実施した。
本研究では、地形環境が遺跡立地に与える影響を具体的に明らかにすることを目的としている。昨年度はこれらの基本的なデータの収集に努めたが、遺跡データの遺漏や誤記、座標位置の決定ための追加作業が必要となった。そのため、本年度も大阪平野部で行われたボーリングデータの収集と入力作業を継続して実施した。こうした基礎的な作業を今年度も重点的に実施することとなった。
また、昨年度の段階で、旧河川系の詳細な復元については、ボーリングデータのみでは推定復元が難しいことが明らかとなり、沖積層深部にわたる発掘調査の事例も多くはないため、縄文海進後の河内湾から河内湖への変遷過程については、大縮尺での推定図の作成を進めることとした。その他、代替案として、遺跡が密集するいくつかの小地域において、発掘調査に基づく所見をもとに詳細な古地形復元を進めることにした。
研究分担者および研究協力者と検討した結果、小地域の設定は、淀川流域・枚方〜四条畷地域・生駒西麓・長原〜瓜破地域とし、遺跡立地研究として縄文時代の生業圏と居住圏の関係、淀川右岸遺跡立地と淀川渡河の関係、旧石器遺跡立地の比較検討(大阪平野と備讃瀬戸地域)などの項目で個別研究をあわせて進めることとした。
基礎作業が中心となったため、それを活用して研究を進める段階が遅れているが、次年度に向けてこうしたデータの拡充と公開方法について検討を進めている。