Research Abstract |
本研究の目的は,北海道および東・南部アフリカ諸国を研究対象地域として,ゲートウェイ機能の立地を起点する新開地都市の都市発展史,都市機能,都市内部構造を分析し,その地域間比較を行うことによって,当該地域の都市および都市システムの一般的特性を考察することである。 本年度の主たる調査地域はモーリシャス共和国とマダガスカル共和国である。両国において,センサスや年次統計書などの主要統計,都市地図およびGISデータ,都市や産業に関する参考文献を収集するとともに,主要都市であるモーリシャスのポートルイスとカトルボーン,マダガスカルのアンタナナリボにおいて,都市景観や土地利用の現地調査を実施した。また,国内調査では,上記各国の植民地時代の状況を復元するため,国立民族学博物館やアジア経済研究所所蔵資料を検討し,関係文書をコピーし,貴重な資料を得た。 本年度は,研究成果として,共著5冊の分担執筆原稿を書き上げるとともに,最終年度の成果として,A4版124頁の研究成果報告書を刊行した。同報告書は,以下の3部・9章から構成される。第1部は,国際比較の観点から,第1章では北海道と南アフリカ共和国,第2章では小樽,横浜,ケープタウンのゲートウェイ都市を比較・考察した。第2部では,アフリカ都市の特性について検討した。第3章ではアフリカ都市全般,第4章ではナイロビ,第5章ではケープタウン,第6章ではポートルイスなどのモーリシャスの都市,第7章ではアンタナナリボの都市内部構造について論じた。第3部では,日本都市の特性として,第8章では近年の札幌の支店経済動向など,第9章では日本都市に特有の都心盛り場の構造を分析した。
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