2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本・中国の伝統地域社会における社会関係資本の比較研究
Project/Area Number |
16520497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (90235846)
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Keywords | 社会関係資本 / Social Capital / コモンズ / 地域アイデンティティー / 正統性 / 文化資源 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の調査候補地(石川県加賀市、新潟県小千谷市)において、フィールド・ワークを行い、人々の強固な紐帯を必要不可欠とする組織態(社会、経済、政治、福利厚生など生活全般にわたる共同の組織の管理システム、活動、規則など)を、インタビューや参与観察、映像記録、文献資料収集によって精緻に実体化した。その結果、強固な人的紐帯と共同性を不可欠をする社会、経済、政治などに関する組織態を、当該社会において、概括的に把握することができた。 まず、石川県加賀市では片野鴨池という共有資源をめぐる組織態の情報(組織名、構成員数、構成員名、構成員の続柄、構成員の年齢、組織図、組織運営の費用額、費用負担、組織の目的、規則、運営方、リーダーの選出法、合意形成法、組織の活動の頻度、組織への参加状況、組織の歴史的変遷、組織への関与の任意性、組織に対する住民の意識等)を収集した。それにより価値観や目的が異なる多様なアクターの共存と社会関係資本との関連という、重要な研究の方向性を得ることができた。 さらに、新潟県小千谷市において闘牛、錦鯉という地域アイデンティティーとなる伝統的文化資源をめぐる組織態の情報を収集した。それにより、過疎や高齢化という地域社会の弱体化する状況、さらに、震災(新潟県中越地震)という非常事態にあって、伝統的文化資源が、人々の紐帯と強く関連する信頼やネットワークなどの社会関係資本を創出、強化するという、重要な研究の方向性を得ることができた。
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Research Products
(1 results)