2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520506
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
阿南 透 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50255204)
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Keywords | 都市祭礼 / 祭礼史 / 祝祭 / 運動会 |
Research Abstract |
本研究は、近代日本の都市祭礼について、変遷を時系列に沿って分析していく試みであるが、特に明治期から昭和戦前期までに作られた祭礼や、一回限りの奉祝行事・記念祭を対象として、成立事情や変化、内容の特徴を考察し、近代日本の社会変動と文化変容にも関連づけて理解を試みた。 本研究の成果は次のとおりである。1.昭和初期に新しい祭礼が続出するが、京都の「染織祭」、神戸の「みなとの祭」、大阪の「商工祭」など京阪神の大規模な祭礼の例を紹介し、成立事情と内容の特徴をまとめた。2.神戸の「みなとの祭」については、これまでアメリカ・ポートランド市のローズフェスティバルの影響を受けたと言われていたが、確証はなかったため、具体的な影響関係について推測した。3.昭和大礼における市民による奉祝行事について、京都府の例を一部紹介するとともに、警察の警備記録から全体像を推測し、その祝祭性を明らかにした。4.近代に成立した北海道における神社祭礼について、札幌を例に成立史を描き出し、祭礼が必要とされた事情を推測した。5.地域の大規模な年中行事となっているスポーツイベントについて、祭礼との類似性を、戦前期の釧路市民大運動会を例に明らかにした。6.戦後になって大きく発展する祭礼について、仙台の七夕まつり、青森のねぶた祭を例に、戦前と戦後の相違点を明確にした。7.これらの個別事例の成果を通じて、近代の祭礼の成立と展開について、特徴を試論としてまとめた。
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Research Products
(2 results)