2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦争の記憶と伝承に関する研究-沖縄戦の伝承に関するハワイ移民と母村の比較研究
Project/Area Number |
16520510
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山内 健治 明治大学, 政治経済学部, 教授 (60254728)
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Keywords | 戦争 / 記憶 / 伝承 / 社会人類学 / 沖縄戦 / 移民 / ハワイ / 母村 |
Research Abstract |
本年度は調査研究の初年度として、沖縄県読谷村における戦争体験に関ずる文献資料の収集・分析を開始した。同村における22字の内、波辺の2地因こおいで世帯漂調査を実施し家族内の戦争体験者をリスト化したまた、戦争の記憶として一部、体験者への聞き取り調査を実施した。対象は12名であり、家族のその後の展開等もあわせて調査した。読谷村内でハワイ移住者名簿を作成し、戦前にハワイに移民した家族名簿を作成した。また、米軍占領政策にともなう戦後の村政史に関する資料収集し整理した。とりわけ、米軍基地に接収移転を余儀なくされた楚辺地区の戦前、戦後の地図を作成しその変容の歴史を分析した。沖縄県内における戦争証言の記録関連団体と協議し、2005年度に行う戦争体験記録の対象者のリスト化を実施した。 ハワイ移民の調査研究に関しては本年度8月27日から9月9日までの期間、オアフ島のハワイ沖縄県人会を訪問し、沖縄戦に関する資料の有無を確認するとともに、聞き取り調査の一部を開始した。とりわけ沖縄県読谷村出身の名簿を作成するための資料を収集した。読谷村出身の戦前移住渚および戦後移住者を分けるとともに、帰米2世とよばれる沖縄在往体験者のなかから、沖縄戦体験者をリスト化し、その一部に聞き取り調査を実施した。また、ハワイにおける戦争の伝承として、軍人墓地に併置されている沖縄戦に関する展示資料を記録した。来年度以降の戦争体験の記録方法について検討した結果、当面は沖縄母村側の聞き取りを主とし、移民先での調査方法は、今後の課題とした。
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