2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化の下での移民受け入れと国民国家に関わる政策と法制度の日独比較研究
Project/Area Number |
16530003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広渡 清吾 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60025153)
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Keywords | 移民政策 / 統合 / 少子化 / 定住化 / 移住法 |
Research Abstract |
本年度は、ドイツ及び日本における移民政策の動向と法制度の変化についての調査をおこなった。 1.ドイツについては、2004年7月に「移民法」(Zuwanderungsgesetz)が成立したので、これを中心に検討した。ドイツ・オスナブリュック大学移民および間文化研究所を訪問し、移住法の成立過程および内容の問題点について聞き取りをおこない、資料を収集した。また、ベルリンの連邦移民及び統合受任官事務所を訪問し、統計情報その他の資料の収集を行った。成立した移住法は政府原案から後退し、計画移民の制度が採用されなかったが、高度専門家・技術者等を移民として受け入れる制度が導入された。また、外国人の「統合」(Integration)を進めるための措置が規定され、それへの外国人の参加が義務づけられた。2.日本については、移民政策をめぐる新たな動向に着目し、アジア諸国とのEPA協定の締結の促進や東アジア共同体の構想について資料的検討をおこない、また日本経済団体連合会が公表した「外国人受け入れに関する提言」の内容を批判的に検討した。さらに少子・高齢化社会への対策と移民政策の関係について検討した。日本の場合、移民政策について政府レベルの対応はほとんどみられない。また、いわゆるニューカマーの定住化が進み、移民化の傾向もあるが、これに対しては現場をかかえる自治体に比して政府の問題意識が希薄であることが問題として指摘されるようになっている。
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Research Products
(3 results)