2005 Fiscal Year Annual Research Report
「生活のための制度」を創るスキルの構築-シビル・ロー・エンジニアリングの試み
Project/Area Number |
16530051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250)
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Keywords | 日常生活 / 民法 / 市民社会 / 制度 / 契約 / 団体 / 地域 / 公共性 |
Research Abstract |
本研究は、市民レベルで行われている「生活のための制度を創る」試みをとりあげて、その実態を明らかにするとともに、その技法・その理念について検討を加えるものである。初年度は、関連文献の収集・分析とケーススタディのための現地調査を行った。その際の対象は、(1)育児(共同子育て)・(2)住居(新しいハウジング)・(3)環境(共用自転車)・(4)消費(地域通貨)としたが、それぞれにつき一定の情報を得ることができた。集中的な作業によって、予想以上の速度で研究が進展したため、その検討結果をまとめたレポートを『生活のための制度を創る--シビル・ロー・エンジニアリングにむけて』という表題で2005年3月末に公刊することができた(昨年の報告書作成時には未刊だったため、今年度の成果として掲げる)。なお、その後は、フォローアップの研究を続行している。すなわち、第一に、昨年度の「成年後見と介護契約」と対になる論文「高齢者の居住と継続性の尊重」を脱稿したが、刊行には至っていない。第二に、上記著書の結論部分で言及した2点につき、さらなる展開をはかるための準備を行った。具体的には、一方で、「外国人」の生活支援のための制度創りについて検討すべく、法科大学院の演習「外国人のための法律ハンドブックをつくる」を開講し、参加者とともに問題点の析出につとめた(その成果は、参加者によるホームページ「東大ロースクール生による外国人留学生のための法律ハンドブック」となっている)。他方で、「企業」を担い手とする制度創りの実情に関する予備調査に着手した。
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Research Products
(1 results)