2005 Fiscal Year Annual Research Report
株式投資信託における議決権行使のディスクロージャー規制に関する研究
Project/Area Number |
16530057
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 美紀子 山口大学, 経済学部, 助教授 (60363090)
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Keywords | 株式投資信託 / 議決権行使 / ディスクロージャー / 開示規制 |
Research Abstract |
米国の議論を、1,株式投資信託における株主活動、2,開示規制のコスト、3,ディスクロージャーとコーポレート・ガバナンス等の論点別に検証したところ、以下のような成果を得た。 1,株式投資信託における株主活動 株式投資信託の投資者は、投資サービスと議決権行使サービスの2通りの金融媒介物を購入することになるが、株式投資信託はその議決権行使つまりガバナンス媒体という立場で重要な役割を果たし得ないであろう、というのが米国投資会社法上の多数説であった。しかしながら、投資信託による議決権は米国総議決権の30パーセント近くを占めいまなお増加中の今日、当仮説はもはや事実ではない。株式投資信託は、アメリカにおけるコーポレート・ガバナンスの中枢プレーヤーを担うまでになっており、ファンドマネージャーは透明性を確立し、コーポレート・ガバナンスの担い手としての役割を果たすべきである。 2,開示規制のコスト 株式投資信託の議決権行使つまりガバナンス活動のディスクロージャーは、潜在的な便益が数多い上にコストはほとんどかからない。年金基金いくつかと少なくとも一つの株式投資信託は、すでに過度ともいえるほどの議決権行使プロセス、行使方針および実際の行使行動を投資家に対して説明している状況にある。 3,ディスクロージャーとコーポレート・ガバナンス そのようなディスクロージャーは、説明責任と透明性、つまりあらゆる金融規制の先導的原則を強め、ファンドの投資家をして、ファンドのガバナンス活動を評価・監視せしめる。米国コーポレート・ガバナンス・システムは資本拠出と経営監督の隔たりという特徴をもち、それは会社経営を精密にし投資家の要求に対する説明責任を増大することをもたらした。
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Research Products
(1 results)