2005 Fiscal Year Annual Research Report
東中欧諸国の政治発展のヨーロッパ史への統合-政治体制・政党制・政治動員
Project/Area Number |
16530076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 武 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90238361)
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Keywords | 東中欧 / 政治発展 / 政治体制 / 政党制 / 政治動員 |
Research Abstract |
本研究は、東中欧諸国(ハプスブルク君主国とその継承諸国を中心とする)の歴史を政治学的に分析する幾つかの方図を探り、これを通して現代政治学がこれまでに描いてきたヨーロッパ全体の歴史像に当該諸国の歴史をも位置づけることを目的とし、具体的には、1)議院内閣制化と選挙権拡大の観点から見た政治体制の民主化、2)農民政党を中心に見た政党システム形成、3)ハンガリーを事例とする農民と労働者の政治動員のそれぞれの過程を政治学的なアプローチを用いて分析することを意図している。 今年度は、いずれのテーマに関しても、独英仏語およびハンガリー語の史料・文献(博士論文・雑誌論文を含む)の収集を継続して行った。平成18年1月1〜9日にはハンガリーを訪れ、議院内閣制・選挙権改革・政治体制をめぐって一次世界大戦前から戦間期にかけて雑誌上などで展開された議論、同時代の政治学文献についての資料収集を行った。この時に収集したものも含めて、前年度から今年度にかけて収集した文献・資料の整理・分析を進め、東欧地域全体の政治発展・政治体制に関する研究動向紹介と自分なりの中間考察をまとめつつあり、これは研究成果報告書に含める予定でいるほか、近く東欧史研究会でこれに基づいた報告を行って当該地域を対照とする研究者たちの批判を仰ぐ予定でいる。また、とりわけテーマ1)に関しては、その前提として一次大戦前までの時期のハプスブルク君主国の、共通制度・シスライタニア・ハンガリーの三つのレヴェルにおける政治発展の隘路についての中間考察をまとめつつある。テーマ2)3)に関しても、農民政党関連を中心に、収集した文献資料の整理・分析を進めた。
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