2006 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ諸国における「民主化」の帰結:その批判的再検討
Project/Area Number |
16530078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 貢 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教授 (70251311)
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Keywords | 民主化 / アフリカ / 制度 / 市民社会 |
Research Abstract |
今年度は、基本的に昨年度までの調査研究を通じて得た成果をまとめ、論文として発表したほか、国際学会においての口頭発表を行った。報告を中心に行った。邦文では、「民主主義をもたらさない『民主化』?:1990年代以降のアフリカにおける政治変動とその評価をめぐって」を恒川恵市編の『民主主義アイデンティティ』(早稲田大学出版会)に発表したほか、「民主化と『市民社会』」という論考を田巻松雄編『地域研究の課題と方法:アジア・アフリカ社会研究入門・理論編』(文化書房博文社)に発表した。そのほか口頭発表として、2006年7月に福岡で開催された世界政治学会の研究大会において、"Democratization Really Under Way?: Evaluating Political Practices and Analyzing Democratic Endurance in Sub-Saharan Africa" (20^<th> IPSA Congress,: Fukuoka, Japan 11 July 2006)というペーパーを提出・報告を行った。「民主主義をもたらさない『民主化』」においては、アフリカをめぐる「民主化」を幅広くレヴューし、アフリカにおける民主制の定着にかかわる条件を仮説的に提起した。「民主化と『市民社会』」においては、民主化においてある意味で自明視されている「市民社会」の役割を、実証の立場から批判的に再検討したものである。"Democratization Really Under Way?"では、主にザンビアの事例を再検討する作業を通じ、「民主化」以前の制度的残滓が、「民主化」後のミクロの政治実践を規定している面が強く、今後の「民主化」研究においては、単に選挙や政党制といった制度変更にとどまらない問題領域の検討の必要性を明らかにしようとしたものであり、こうした成果報告を通じで本研究の所期の目的をある程度達成することが可能となった。
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Research Products
(3 results)