2006 Fiscal Year Annual Research Report
「形成期」アメリカ政治学の「アメリカ化」の内実の学史的研究
Project/Area Number |
16530091
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中谷 義和 立命館大学, 法学部, 教授 (60119542)
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Keywords | H.J.ラスキ / 多元主義 / 自由主義 / 民主政 / 絶対主義的国家観 / 集団理論 / グローバル化 / ヘゲモニー |
Research Abstract |
平成18年度は「形成期」のアメリカ政治学に、とりわけ、アメリカ政治学の多元主義的政治アプローチに重大な影響を与えたH.J.ラスキ(Laski,1893-1950)の研究を行うとともに、グローバル化時代におけるアメリカの「ヘゲモニー」を建国期の国家構築論にまで遡って検討するという作業を行った。 ラスキは、マギル大学(カナダ)からハーバード大学に移り、政治現象における多元主義的認識を深め、当時の多元主義国家論の隆盛ともあいまって、学界に多大のインパクトを与えることになった。彼がアメリカを去ってLSEに移ってからも、その影響はアメリカ政治学の多元主義的アプローチに大きな足跡を残しているだけに、本研究は、主として、いわゆる初期ラスキの論稿を中心として、その絶対主義国家論の拒否と多元主義的認識の特徴を彼の初期の労作を中心として明らかにするとともに、その社会集団中心的規範理論がその後のアメリカの自由主義的・経験論的政治学に与えた影響を辿ることに努めた。 別の作業は、ランカスター大学(英)での報告の予定もあり(3月26日開催)、今日のアメリカが指導的位置にあることに鑑みて、「存在しなかった国家」が形成期にどのような修辞と論理を基礎とすることで、その後のヘゲモニー国家へと展開しうる地盤が形成されることになったかについて、アメリカの社会文化的基盤をも視野に据えて検討し、「多元主義的膨張」の論理が空間的・政治制度的拡大の論理と結びついていることを明らかにした。また、この作業とならんで、今日のグローバル化とこれにかかわる民主政の理論状況を整理した。
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Research Products
(3 results)