2004 Fiscal Year Annual Research Report
国連平和活動評価のためのデータベース構築に関する研究
Project/Area Number |
16530098
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
吉高神 明 福島大学, 経済経営学類, 助教授 (80258714)
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Keywords | 国連平和活動 / 地域紛争 / 内戦 / 平和維持活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、国連平和活動のパフォーマンスを評価するためのデータベース及び概念モデルを構築することにある。具体的には、1945年以降現在に至るまで国連が実施している全ての平和活動に関するミッション・プロフィール及び同活動が展開された地域紛争・内戦に関するデータ・プロフィールを作成し、「紛争ライフサイクル指標」と「国連平和活動指標」を用いつつ、各ミッションのパフォーマンスに関する評価モデルの開発を目指すものである。 平成16年度については、平和活動評価システム構築に必要なデータベース作成作業を中心に行った。具体的には、以下の作業に着手した。 第一は、国連平和活動の概念整理及び平和活動評価のための基準作成のための作業である。この場合、国際関係論における紛争管理・解決理論の先行研究の成果を踏まえつつ、第三者主体としての国連の介入と紛争のアウトカムとの関連性把握、国連の遂行する多様な平和活動の類型化と機能分析、国連平和活動の成功と失敗の判断基準の指標化、国連平和活動の成功と失敗に寄与する要因の特定などについて検討を行った。 第二は、国連が過去に実施してきた平和活動に関するミッション・プロフィールの作成と国連が関与した地域紛争及び内戦のライフ・サイクル(発生・激化・沈静化・解決)のデータ・プロフィールを作成する作業である。この場合、国連平和活動のミッション・プロフィールについては、国連事務総長報告、国連平和活動局資料、政策担当者の回顧録などの検討を中心に考察を行った。また紛争のライフ・サイクルに関しては、ストックフォルム国際平和研究所(スウェーデン)の「武力紛争データプロジェクト」、ミシガン大学(米国)の「COWプロジェクト」、メリーランド大学(米国)・マックギル大学(カナダ)の「ICBプロジェクト」など、既存の地域紛争・内戦に関するデータベースの長所と短所について、比較検討した。
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