2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012460)
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Keywords | 戦後日台関係史 / 日華平和条約 |
Research Abstract |
2004年度はまず国内の戦後日台関係史関係の文献・論文の収集に努めた。2005年1月29日-30日、北海道大学で、戦後日台・日華関係史に関するワーク・ショップが開かれ、比較的若手の日台研究者が集まった。その際、「私の日華関係史研究を振り返って」と題して、基調講演を行った。そこでは日華平和条約の締結交渉から、1960年代の、国民党勢力と日本の保守派勢力の「結託」に至るまでの時期、いくつかのトピックについてまとめた自分自身の研究を、苦労話を含めながら紹介した。 3月6日-10日、訪台し、中国文化大学研究所所長で、日台関係の専門家である陳鵬仁教授と意見交換するとともに、戦後日台関係史関係の文献・論文の収集に努めた。 1972年9月の日台断交以前の日台関係については、すでに一定の研究を進めてきたが、今回の文献・論文の収集を通じて、断交以後の日台間の動きについての解明につながる文書を収集できた、と考えている。特に、断交後、実務関係を維持することで合意しながら、航空路線を巡り、「断航」となる過程に関する回想録等を入手することができた。さらに「断航」から日台航路の「回復」に至る過程についても、研究を進める足がかりをつかめたのではないか、と考えている。日台間の航路の「断航」は、日本と中華人民共和国との間の航空協定締結交渉の進捗状況とも密接な関係があることが確認できた。1972年以後の日台関係史を研究するためには、日台双方の、官僚機構を含めた政府関係者、両執政党(自由民主党と国民党)等の動きを検討するだけでなく、中国側の動きも検討に入れなければならないことがわかった。
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Research Products
(1 results)