2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今井 晴雄 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (10144396)
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Keywords | 提携形成 / 交渉解 / 交渉問題 |
Research Abstract |
提携形成分析に関しては、ギリシア等の学会報告ならびに他の報告者の学会報告等から、提携の逐次形成ゲームの順序不変均衡が、非常に有効な概念であることが判明し、それをもとにして、その存在を前提としたこれまでの結果の成立条件が、文献との関係でより鮮明になることがわかり、その結果をまとめている。また、その非存在の可能性が重要となるが、これについては、いまだ十分な反例にたどりついていない。同時に再帰的コアを取り入れた分析は、あまり有効でないことも明らかとなった。ついで、交渉分析の研究に関しては、これまでの非協力分析の結果を公理化する作業を引き続き行い、いくつかの公理をより適切な公理と置き換え、かつ、公理化を、当の解のみならず、一定の性質を満たす解のグループの特徴づけに拡張することに成功した。スペインのコンファレンス等で発表したが、このような試みは始めてのものであると考えられる。また、計算可能な例の範囲がより広いことも明らかになった。最後に、具体的な問題への応用としての気候変動問題への適用に関しては、直接的な提携拡大の試みの限界、ならびに、現実的な議論の動向にあわせて、京都メカニズムの一つとして知られるクリーン開発メカニズムという仕組みを用いた、途上国の参加可能性に対して、考察を加えた。このメカニズムに固有の問題が多く指摘される点を強調して結果を真と待て入る。他方で、とくに、このような部分的枠組みによる協力メカニズムは、やはり拡張不可能性命題に限定されるという考え方に対して、リスクの側面から、多少の改善可能性があると考えられ、この可能性をさらに追求している。
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Research Products
(6 results)