2006 Fiscal Year Annual Research Report
公共的意思決定メカニズムにおける個人の戦略選択行動に関する理論的・実験的研究
Project/Area Number |
16530130
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
曽山 典子 天理大学, 人間学部, 准教授 (50309522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 徹 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60134160)
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Keywords | ピボタル・メカニズム / マキシミン・メカニズム / 公共的意思決定メカニズム / 戦略選択行動 / 意思決定環境 / 実験経済学 |
Research Abstract |
今年度の本研究の目的は、ピボタル・メカニズムとマキシミン・メカニズムの構造と実験結果から抽出した個人の戦略行動様式との関係を調べることによって,両メカニズムの真実表明を誘発する性能の問題点を明らかにすることである。具体的には,研究実施計画にそって以下の通り遂行した。 ・マキシミン・メカニズムについては、2主体13戦略の意思決定環境で実験を行った。真実表明率は戦略数が13に増えることによって顕著に低くなり,3戦略や5戦略において見られた期待利得最大化行動(EB行動)は,13戦略では見られず,EB行動に類似した戦略行動をとる被験者が増加した。実験結果は,13戦略の利得構造は被験者がある程度理解することが可能な規模であることを示したが,利得表を提示した実験結果から,被験者が利得構造を完全に理解する場合においても,個人の戦略選択行動は固定しないことがわかり,支配戦略が存在しないがゆえにマキシミン・メカニズムは真実表明誘発の性能を高めることが困難であると結論づけた。 ・ピボタル・メカニズムについては,実験の前に利得計算の練習を行うことや、真の評価値と固定負担額とをできるだけ接近させるようなプロジェクトの実施費用の設定を行うなど,異なる実験環境において実験を行い,ピボタル・メカニズムの真実表明誘発性能を高めるために有効な実験環境を明らかにした。 ・メカニズムの有効性を示すための指標として,利得構造と戦略選択行動との関係を定量的に示す戦略選択行動を決定するための計算負荷を考案し,本研究で設定した両メカニズムの意思決定環境に適用した。実験結果から,計算負荷と実験結果との間に相関があることがわかった。
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Research Products
(3 results)