2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530140
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大屋 幸輔 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20233281)
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Keywords | カウントデータ / パネルデータ |
Research Abstract |
カウントデータは離散データであり、そのようなデータの生成過程をモデリングするには、ポアソン分布のように特定の確率分布を仮定しその分析を進めることが一般的である。経済・経営の分野の実証分析の場合、モデルでその挙動が決定される内生変数として整数値を取る複数の離散型変数がもちいられることがあるが、この場合、連続型変数の場合と同じく、モデルのパラメータの推定には、変数の内生性を考慮した方法が必要となる。カウントデータの生成過程をモデル化した際の平均過程を表現する変数が内生性をもつ場合に関する研究を既に行っているが、この場合の内生性はカウントデータを生成する確率モデルと必ずしも同じ種類の分布である必要が無く、モデル化自体に困難は伴わない。しかし複数のカウントデータ自体をモデル化し、同時方程式体系下でそれらの内生性を考慮するには、その相関構造をどのように特定化するかという問題が存在する。平成17年度はこの相関構造に関連する既存研究のサーベイを中心に、より実用的なモデル化の方向を考察している。さらに説明変数の内生性の問題は、複数のカウントデータについてのモデリングだけでなく、パネル・カウントデータの分析に際してのランダム・エフェクトと関連することに着目し、次年度における研究課題として、有限標本での統計的性質を明らかにするためのモンテカルロ実験を計画するとともに、パネル・カウントデータモデルの推定量の漸近性質に関する研究を準備中である。
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