2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ統計データを用いた日本企業のグローバル化に関する計量的実験研究
Project/Area Number |
16530152
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
冨浦 英一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40273065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 誠一 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70047489)
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Keywords | アウトソーシング / 海外直接投資 / 企業統計 / ミクロデータ |
Research Abstract |
日本企業のグローバル化についてミクロ統計データを用いて計量的に実証研究を行うことを目的とする本研究の初年度に当たる本年度においては、これまでに行ってきた予備的分析の成果を整理するとともに、次年度以降における新たな研究の準備作業を進めた。今年度にまとめられた成果としては、例えば以下のようなものが挙げられる。 (1)欧米で注目を集め分析も始まっている海外へのアウトソーシング=外注(いわゆるオフショアリング)について、「商工業実態基本調査」のミクロ統計データを用いた分析結果を整理した。その結果、企業の海外アウトソーシングは、その企業の生産性や規模と有意な統計的関係を有することが確認された。日本企業について、国内と国外を明示的に区別したアウトソーシングのミクロ実証分析は稀有であると考えられ、貴重な成果が得られた。 (2)海外直接投資の投資先について、同じくミクロ統計データを用いた分析結果を整理した。その結果、日本企業において、アジアに比べ先進国へ進出している企業の方が、研究開発集約度が高いという関係が統計的に確認された。アジアの急速な発展がよく報じられるが、依然として、直接投資と研究開発の関係は、アジアよりも先進国向け投資において強いことが改めて明らかになった。 (3)この他、企業の輸出判断、企業のグローバル化モード選択(海外からの調達に当たって直接投資による企業内調達と別企業への外注のどちらを選ぶか、海外への販売に当たって輸出と海外直接投資による現地生産のどちらを選ぶか)について、研究開発、生産性、パソコン活用等との関係を調べる分析も併せ行い、成果をとりあえず中間的にまとめた。 今後、残された課題(業種別に区分した分析等)に応えるべく追加的な分析を行うとともに、他のデータセットの活用可能性も探っていく予定である。
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Research Products
(5 results)