2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬局経営に影響を与える諸要因の実証分析による医薬分業のあり方の検討
Project/Area Number |
16530159
|
Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
櫻井 秀彦 北海道薬科大学, 薬学部, 助教授 (70326560)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 幸俊 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (30112585)
岡崎 光洋 北海道薬科大学, 薬学部, 講師 (80297944)
|
Keywords | 薬局 / 経営環境 / 医薬分業 / 実証分析 |
Research Abstract |
当年度は、分析するモデルの検討を行うためのパイロット・スタディを行った。具体的には、まず薬局の経営に影響を及ぼすと考えられる要因を検討し、それらに対応すると考えられる定量的データ項目を90選定した。次に、北海道と神奈川県で各薬局チェーンを展開する企業数社に依頼し、データ項目の収集可能性や妥当性を吟味してもらい、85項目に絞込んだ上で、計38薬局から過去1年分の月次データを入手した。各月のデータを仮想的に1つの個別の薬局のデータとしてサンプル数の問題を克服し、変数の検討に入った。検討と収集に時間を要したため、現段階では解析に着手したばかりであるが、いくつかの解析結果を以下に示す。患者数を被説明変数とした重回帰分析では、応対時間や営業時間、薬剤欠品率、レセプト返戻率、調剤ミス率などの係数の符合が有意にプラスとなり、待ち時間や疑義紹介率の係数の符合が有意にマイナスとなった。また、経験年数や在職年数の係数は有意にほぼゼロに等しかった。以上のことから今後因果関係について検討すべき余地はあるが、患者数の増減は薬局が提供する医療サービスの質には影響をほとんど受けないことが推察された。同様に利益率を被説明変数とした場合には、薬剤比率や時間当たり平均患者数の係数の符号が有意に負となるなど、仮説を支持する結果も得られたが、逆に複数の指導加算算定率の符号も負となったため、現在他のモデルを用いて検討中である。また同時にステップワイズ法を用いるなどして、変数の取捨選択の検討を行っている。更に今後は、費用関数や要素生産性に関するモデルでデータ項目を検討し、本調査の準備を完了させる予定である。 サンプル数の問題では、北海道および東京都内でデータ提供の了承を得た薬局を増やしており、今後も研究の趣旨を説明しながら数を増やしていく予定である。 以上
|