2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬局経営に影響を与える諸要因の実証分析による医薬分業のあり方の検討
Project/Area Number |
16530159
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Research Institution | Hokkaido Pharmaceutical University School of Pharmacy |
Principal Investigator |
櫻井 秀彦 北海道薬科大学, 薬学部, 助教授 (70326560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早瀬 幸俊 北海道薬科大学, 薬学部, 教授 (30112585)
岡崎 光洋 北海道薬科大学, 薬学部, 講師 (80297944)
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Keywords | 薬局 / 経営 / 医薬分業 / 実証分析 |
Research Abstract |
当年度は、昨年度のパイロットスタディの結果を基に、収集データ項目の吟味と、推定モデルの検証を行った。並行してサンプル数の増加のために協力薬局の拡大を図った。最終的に、本調査に協力いただける薬局数は199を見込んでいる。 本調査は平成17年10月頃に行う予定であったが、協力いただけた薬局のうち、一番大きなサンプル数を見込んでいたチェーン薬局の実務担当者の退職により、実際には平成18年2月の月次データを収集することとなった。よって、現在データのほとんどは各薬局で集計中であり、現時点では一部しか届いていない。ここでは、パイロットスタディの結果以外に新たに得られた知見を以下に記す。 門前薬局と面分業薬局では患者数に影響を与える要因が異なること、収益性に与える要因については、基本調剤料の差別化が行われているにも関わらず、大型門前の方が費用効率性に優れている傾向があることなどが示唆された。しかし、一部に多重共線性が疑われ、ステップワイズ法などを用いると薬剤料や技術料、各加算等の変数が除外されるなど、理論的前提にそぐわないモデルとなった。現在、因子分析による変数の集約や薬局の提供する医療サービスの種類の違い前提としたモデルごとで推計を行っている。全てのデータが収集された段階で、いわば患者の生産関数的なモデルや、費用関数、要素生産性に関するモデルの推計と改良を進めていく予定である。 上記199の薬局には継続的な研究への協力の了承が得られ、本調査には間にあわなかったものの、他に30薬局ほど協力の了承が得られている。今後、修正事項を克服した上で、形態ごとなど外部環境要因別にも分析可能となるよう、更にサンプル数を拡大し、300近い薬局を目標として、平成18年年度中に再度本調査を行うこととしたい。
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