2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16530168
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Research Institution | Kyushu Tokai University |
Principal Investigator |
高木 一郎 九州東海大学, 応用情報学部, 教授 (90226746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 稔 大阪府立大学, 大学院・工学研究科応用数理, 教授 (70207215)
松田 晴英 九州東海大学, 総合教養部, 助教授 (00333237)
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Keywords | 複雑系数理経済 / 国際経済数理モデル / 労働力の国際移動 / 自己組織化現象 / 新古典派経済成長モデル / マスター方程式 / フォッカー・プランク方程式 / 非線形偏微分積分方程式 |
Research Abstract |
本研究の複雑系数理経済モデルでの人口移動を表す方程式は非線形偏微分積分方程式であるが、昨年度はこの方程式に関する関数方程式論的研究を行った。また、この複雑な非線形偏微分積分方程式系は、非線形Boltzmann方程式並びに非線形輸送方程式との形が類似している点に着目し、私たちの研究グループが開発した計算方法を本方程式系の線形化した方程式に適用し、満足できる研究成果を得た。 ところで、Boltzmann、方程式並びに輸送方程式の積分核には統計力学から得られた、それらの方程式に固有の制限が課せられているが、本研究の方程式系の積分核にも、数理社会経済学および人口論に基づく制限が課せられることになる。そのために、積分核の形はその性質(特に有界性/非有界性)に関しても、当然ながら、Boltzmann方程式並びに輸送方程式についての結果を直接的に本研究のモデルに適用することはできない。このために、本年度は、私たちの研究グループの研究業績で得られた積分核への評価を数理社会経済学および人口論に基づく制限を考慮して研究を行った。具体的には、受理された論文"A geometrical similarity between migration of human population and diffusion of biological particles"(Nonlinear Analysis, Real World Applications, Elsevier Science, Amsterdam)で、人口移動に関する距離の効果あるいは人口密度への考察を方程式に反映させ、満足できる成果を得た。このことにより、"国際経済学における複雑系数理経済モデル"の人口移動現象を表すマスター方程式にミクロ経済学的基礎を与えることができた。
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Research Products
(1 results)